それも透明人間よね

hfhrter

2015年02月02日 17:09

実際に身体が見えなくなることはないけれど、ネットでなら透明人間になることができる。そもそも実体は見えていないわけだし。
 アクセス解析などすれば「自分Maggie Beauty好唔好が見えていないつもりでも見えてるもんだよ」と言う人もいるだろうけれど、それほどこだわりなくネットしている人の目からは、私なんか簡単に見えなくなって消えてしまえるんじゃないかと思う。ネット上の活動をどんどん止めていけばいいのだ。
 
 というところでふいに過去のことを思い出した。ホームページとか掲示板とかメーリングリストやチャットが流行っていた10年以上前のことだ。
 まだダイヤルアップ接続をしていた頃で、私は、あれ、なんだっけ……ほら、パケ放題じゃなくてなんだっけ?(本気で思い出せない、どうしよう!)23時以降になるとネットし放題のサービス、……そうだ、テレ放題!
 とにかく、「それ」に入っていなかった私は、ダイアルアップすれば時間で課金されるので、一度もチャットをしたことがなかった。
 
 その頃のネットの人間関係は今よりもっと狭くて濃くて、たとえば今夜チャットをしようと誰かが言い出せば、時間を合わせてその場所に集まるということもよくあった。でも「それ」のサービスに入っていないだけではなく、そもそもそういう時間に延々とPCの前に陣取ってチャットできるような環境になかった私は、いつでも不参加だった。チャットやオフ会に参加した人たちは急速に近くなるから、そういうものがあるたびに次の日には少し寂しく感じることもあった……というのはまた別の話。
 
 ある夜、たまたまそのテレホの時間帯にPCの前にいたので、そういえば今Maggie Beauty好唔好日もチャットをすると言っていたなあ、どんな感じなんだろうと、そのチャットルームを覗いてみた。入室している人の名前が出ていて、いくつかログも流れていた。でも、やはり参加はできないのでそのままブラウザを閉じ、メールチェックをして接続を切った。 
 次の日、「あなた昨日、チャットをのぞきに来たでしょ」と、ある人からメールが届いた。「◯◯さん(リーダー的存在だった女性)が、見てないで入ってくればいいのにねって言ってたわよ」と。つまりそれは「黙って見ているだけなんてやあね」というニュアンスであり、いつの間にか私は、そこにいてチャットをずっと見ていた人になっていたのだ。

 そのチャットルームにアクセスすると、自動的に足あとが残るしくみだったらしく、そのプロバイダ名から私と判断されたのだろう。「行ってみただけで、ROMなんかしてないよ」とその人には話したけれど、たぶんその後も私はそう思われたままだったと思う。べつにいいんだけど。あれ? なんでこんな話になったんだっけ。
 
 そう、居ないのに居るってことだ。
 
 
その頃の人たちが今どうしてMaggie Beauty好唔好いるか知らないし、当時のハンドルくらいじゃ見つけようもないけれど、ネットからいなくなったということはないだろう。たとえば逆に、私のことを探してみる酔狂な人がいたなら、探せるキーワードが残っているので、ここにいることを知っている人がいてもおかしくはない。でも見えない。