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2016年03月15日

誰だろう

誰だろう

 長い文章をスクロールしていくと、またいくつか、美歌&絵瑠のCGが出てきた。文字はほとんど無視して、そちらを楽しみに見ていく。やっと末尾の部分まで来た。そこには、週三回、決まった時間に、ホームページの主催者を囲んでチャットができると書かれていた。チャットとは、パソコンの画面上で、文字を使っておしゃべりをすることである。大勢が同時に話に参加することも可能だ。もしどうしようもなく暇だったら、今晩、チャットの様子を覗いてみてもいいかもしれない。
 信一は欠伸《あくび》をすると、ネットとの接続を切り、ウィンドウズを終了させ、パソコンの電源を落とした。
 たちまち、言いしれぬ不安と圧迫感に包まれる。仮想世界から現実に戻った時には、いつもこうなるのだ。一刻も早く、意識を消してしまいたい。この世界には、いつまでも意識を保っておくだけの価値がない……。
 アルコールを受け付けない体質の信一は、小さな薄紫色の錠剤をコカコーラで嚥下《えんか》して、湿った万年床にごそごそと潜り込んだ。
 暗く混沌《こんとん》とした、だが優しく居心地のいい眠りが、いつものように彼を迎えてくれた。
 電話が鳴っている。
 早苗は、ぼんやりと点滅している灯を見た。外線から直通番号にかかってきている。。親しい友人は、携帯電話か電子メールを使うし、そうでない人たちは、むしろ、病院の代表番号にかけるはずだ。直接この番号にかけてくるのは、高梨くらいだった……。
 そう思っただけで、涙が溢《あふ》れそうになる。
 あれから、すでに二ヶ月近くが過ぎているのに、未《いま》だに、立ち直るきっかけすら、つかめないでいる。もしかすると、このまま、自分は、だめになってしまうのかもしれない。親しい友人たちの時がすべてを解決するという慰めの言葉が、今ほど空虚に聞こえたことはなかった。
 耳障りな呼び出し音は、鳴り続けた。
 ひょっとすると、また週刊誌の取材かもしれない。そう思うと、受話器を取ろうとする気力も萎《な》えてしまう。
 日本中、どの電話機も、すべてこの音なのはなぜだろう。以前、ダイヤル式の黒電話だったときも、全部同じ音だった。法律の規制でもあるのだろうか。
 ぼんやりとそんなことを考えながら、十回コールが響くのを聞いていた。相手は、それでもあきらめようとはしなかった。早苗は、根負けして受話器を取り上げる。
「もしもし……」



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